Highland Single Malt Whisky Story of SPIRITS

スマグラーの道

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スマグラーの道

"密輸"という、男心をくすぐる少々ピカレスなテーマは、ビゼーのオペラ・カルメンから、ジェームズ・ボンドのダイヤモンドフォーエバーやゴールドフィンガーにいたるまで、いやそれ以外にもあらゆる文学の共通の素材として存在してきた。

スコッチウィスキーの歴史の中で、このことを物語るとき、そのバックシーンに静かに流れる映像として、スコットランドのハイランド地方で、沸き上がる霧と霧雨が交互に入れ替わるような日にスマグラー達(密輸者)が森の中や谷を密やかに超えていく姿が思い描かれる。

それはまるで日本の白神山地を足音を忍ばせて歩むマタギにもなぞらえることができ、その足跡を辿っていくと、もしかして彼たちはは山道ではなく河川敷を歩いているのではないか?と考えてしまうほど深く苔むした台地から霧が湧きあがってくる。

そして流れる水は泥炭質の土から黄金色に着色されており、それは自然のウイスキーがあふれて流れているように見えるだろう。

なにしろかの地では、あらゆる雨滴や水たまりが、「生命の水」を意味するウイスキーのゲール語の名前であるウシュカベとして沸いているような地なのだから。

これはまさに過去のスマグラー達がハイランドの山々を越えてアバディーンやエジンバラのような市場に商品を移動するタイミングと同じである。
霧は、税金の収税士と反抗的なハイランドのクラン(族長)の統制を意図した搾取から、両側にスコッチの樽を背負わされたポニーの列を隠す。

そしてあらゆる創意工夫と試行錯誤は、peetreekers(違法な蒸留所)とgaugers(消費者)の間の戦い双方にあった。そして、それはスコッチウイスキーのDNAの一部となったのである。

Glenlivetの丘陵では、丸みを帯びヘザーで覆われた丘のふもとに、ボロボロのコテージが散らばっていて、景色は空っぽのまま広がっている。この地は、かつて200以上の蒸留所が点在した違法な蒸留の中心地であった。

ここでは、Peetreekersは小川に沿って丘の中腹の谷間にスティルを置き、さらに茅葺きの藁で偽装した。
彼らは見つかることを避けるために泥炭ではなく煙が出ないジュニパーを燃やした。
そして、彼らは谷間の渓谷や尾根伝いの輸送ルートを持っていた。

グレンリベットの谷間で、ロビーマックファーソン道は最も成功した密輸業者のうちの1人にちなんで名付けられた。
彼は冬の間、丘の中腹に掘られた偽装ピットでウイスキーを隠し、春にはスムースで熟成したウィスキーを売った。

神からの贈り物の多くは偶然や誤算から生れたものなのだ。

ちなみにこうした密造酒のことを"Mountain Dew(山の露)"という。

あはっ!実に詩的である。

ちなみにこの小道はグレンリベットの創始者であるジョージ・スミスが所有するハイランド地方で最初の合法的蒸留所の跡地を通過する。
ジョージ4世国王は、フルーティーでパイナップルをアクセントにしたウイスキーを好み、1824年に設立されたグレンリベットに免許を与えた。

ジョージ4世は、ひそやかに密造酒としてのグレンリベットの愛飲者だったと思われている。

ジョージスミスが国王によって蒸留所として認定された第一号となったが、他の多くは拒否された。

逆恨みをした違法取引の彼の元同僚によって裏切り者とされ、蒸留所と一緒に燃やしてしまうと脅された彼は蒸留所を守るためフリントロック式の二丁拳銃を持っていたという。

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